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コラム
糖尿病と妊娠
糖尿病と妊娠
妊娠前の管理
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2019. 南江堂, pp.288-289, 2019を参考に作表)
お母さんの血糖コントロール目標値
注1) 無自覚低血糖例など重症低血糖のリスクが高い症例では、さまざまな時間帯で血糖測定を行うことや、目標血糖値を緩めることも考慮する
妊娠中の食事療法
- 食事エネルギー量の目安としては、標準体重×30kcalを基本として、
妊娠初期(~13週):標準体重×30kcal+50kcal
妊娠中期(14~27週):標準体重×30kcal+250kcal
妊娠後期(28週~):標準体重×30kcal+450kcal
- 肥満(BMI 25以上)がある方の場合はエネルギー制限をすることがあり、食事エネルギー量の目安を標準体重×30kcalで考えることが多いです。
- いずれにしても、お母さんの体重管理や赤ちゃんの成長などを参考に、食事エネルギー量や栄養バランスなどを調節していくことになります。
1日3食を分割して、朝食、10時(おやつ)、昼食、15時(おやつ)、夕食、夜食にするなど、総カロリー数が多くなりすぎないようにしながら、少量ずつ食べる工夫(分食)をします。間食はヨーグルトやフルーツなど、軽食でも大丈夫です。
妊娠中の適切な体重増加
血糖コントロールが悪いときに起こりうるお母さんと赤ちゃんの併発症
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2020. 南江堂, p.283, 2019)
*妊娠中のインスリン治療は原則インスリンポンプです。
センサー付きインスリンポンプ(SAP)が主流で、低血糖前一時停止機能や2023年12月からは自動で補正ボーラスが行える先進ハイブリッドクローズドループが使用できるようになります。血糖値を100, 110, 120 mg/dLのいずれかにキープできるように自動で基礎インスリン量が調節され、更に自動で補正ボーラスが追加されることにより一定の血糖値が維持されます。妊娠中ではも目標血糖値100 mg/dLが推奨されます。