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ダイアベティスについて
「ダイアベティス」
● 糖尿病という病名を変更しようという提案が、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会でなされた。新名称の有力候補は「ダイアベティス」である。
学会では糖尿病という名称によって、多くの患者さんが疎外感や恥ずかしさを感じていることを問題視しており、関係団体との協議のうえ、発表に至った形である。
● 糖尿病という病名は1907年、日本内科学会が定めた。当時は、尿に糖が出る病気とされていたが、今は患者の尿に糖が混じるとは限らないことが分かっている。尿の字から不潔なイメージを持たれることもある。こうした背景から、医師や患者らで作る糖尿病協会は2019年、日本糖尿病学会と合同の委員会を設置。差別や偏見をなくす活動の一つとして、病名の見直しに向けた議論を進めてきた。同協会が22年に公表した調査結果では、病名に不快感や抵抗感があるとして、患者の8割が変更を希望した。
●「糖尿病」という病名により多くの患者がスティグマ(疎外感、恥辱などの感情=低い自己評価)を抱えていること、また糖尿病のある人への偏見や差別を払拭し、糖尿病のない人と変わらない暮らしができるよう支援するアドボカシー活動から呼称の変更が提唱された。
●「ダイアベティス」を呼称案の有力候補としつつも、今後1年程度の時間をかけて当事者、医療従事者、関係団体、市民、企業関係者、行政などを含めて広く議論をしていく方針を説明。呼称変更を実施すべきか、変更する場合でも「ダイアベティス」とするかも含めて検討していく方針である。